◆◆◆スペインのオリーブオイル◆◆◆
  •  日本のオリーブオイルの輸入は、92年には5千トンに満たなかったもの
    が10年後には4万トンを超え、消費も近年急激な伸びを示しています。
    輸入量を輸出国別で見ると、全輸入量の約7割りがイタリアで、残り3割が
    スペインでといったように、この2国でほぼ100%近くになっています。
    世界のオリーブオイル生産量は170万トンから230万トンで、そのうち
    40%近くが
    スペインで生産されている事からもわかるように、世界一の生
    産量を誇っています。しかし日本では。オリーブオイルといえばイタリアだ
    と思っている人がほとんどで、その結果が輸入実績にも反映しています。

     その主たる原因は、まず第一に最近の
    イタリア料理の急速な普及があげら
    れます。イタリア料理にはイタリアのオリーブオイルと考えるのは当然の成
    り行きでしょう。第二には、特に若い女性層に広く浸透している
    ブランド志
    がオリーブの世界にもあらわれているためだと思われます。そして最も重
    要な第三の理由として、全体的に
    オリーブオイルの事をよく知らない人
    圧倒的に多いという事があります。イタリアの場合は、世界第二位の生産国
    であるのと同時に、最大の輸入国であり、スペインを始め近隣諸国から年間
    15万トンほど輸入し、自国産のオイルとブレンドしてイタリア産のブラン
    ドとして輸出している場合が多く見受けられます。一方スペインではオイル
    ブレンドが法律で禁止され、生産地証明を発行するなど世界で一番品質の
    管理が厳しいところです。また、オリーブオイルの品質は各種の要因により
    変わってきますが、第一にあげられるのが品種です。オリーブと一口に言っ
    ても、その種は世界中では500を超えるほど栽培されており、世界一の
    生産量を誇るスペイン国内でも約
    260種類以上が栽培されています。その
    栽培される地方の気候や土壌などの自然条件と製造方法により、様々なタイ
    プの違うオイルが生産され、地方の特色を生かした
    地酒の良さを備えた個性
    的なオイルが顔をそろえます。数ある植物油の中でも唯一専門家が香りや味
    などといった官能検査を行うオイルであるという事実も、オリーブオイルの
    奥深さを考えれば納得がいきます。

     今回私たちがご紹介するのは、食用としても大変味が良いとされ珍重される
    アルベキーノ種オリーブです。この種は、スペインはカタルーニャ州、レリダ
    地方の山間部で栽培されている最も小粒の品種で、数あるエクストラバージン
    オイルの中でも最高峰に位置し、上品な甘みがあり、なめらかでカドがありま
    せん。爽やかなアーモンドの香りも特徴的です。そのため高級レストランで
    生食用オイルとして使用されています。また、イタリアは特に北部のリグリア
    地方に輸出され、タジャスカ種とブレンドされます。

     オリーブオイルの品質に影響する要因の一つは
    収穫時期にもあります。アン
    ダルシアのハエン研究所が提唱している判別基準に基づき、一般的なメーカー
    は果実が熟成する段階を0〜7の8段階にわけて、
    4〜5段階でオリーブを収穫
    してオイルを
    採取します。この頃のオリーブ果実はオリーブの油分含有量が最
    大になり、より多くのオイルを採取する事が可能であると同時に、若葉に似た
    フルーティーな香りと爽やかな食味があるグリーンのオイルが出来あがるため、
    この時期に収穫されたものが
    最高の品質とされます。日本でよく見かけるエク
    ストラバージンオイルのほとんどすべてがこのタイプで、イタリアやスペイン
    でも南部の温かい場所で育った早摘みオリーブを使用したオイルの特徴
    でもあ
    ります。

     しかし、
    エルオリーボの特選オリーブ生原油は、エクストラバージンオイル
    でありながら、他のオイルにはない
    黄金色をしています。というのも、このオ
    イルを生産している村はスペインの北部レリダ地方の山間部、標高800
    メー
    トルの地点にあります。そのためオリーブの収穫が行われる冬は大変
    寒さが厳
    しく
    、使用するオリーブも他の地域とは異なる時期に収穫をし、独自の方法
    オイルを生産しているのです。この地域の気候や土壌をいかした方法として、
    まずオリーブが
    完熟する直前までじっくりと時間をかけて育てます。そして
    ちょうどクリスマスの頃、小粒で実の締まったオリーブが成熟した頃を見計らっ
    て収穫が始まります。なかには、
    「エクストラバージンは緑色じゃないの?」と言う方もおられますが、この
    ように産地、品種、収穫時期によって色んな種類のオイルが味わえる事こそが、
    オリーブオイルの奥深さであると思うのです。また、食用としては味や香りが
    悪く、刺激が強いオイルをブレンドしたり、地面に落ちて品質が悪化してしまっ
    たオリーブを化粧品用などにするため加工してつくる
    黄味の強いオイルもあり
    ますが、世界オリーブ協会の規定で、下に落ちたオリーブを食用にしてはいけ
    ない規則がありますし、そういう意味でも私たちのオイルは今までの
    「美味しいエクストラバージン=グリーン」と言う固定観念をくつがえすオイル
    であると自負しています。

     次に重要なのはオイルを採る方法です。紀元前から行われてきた伝統的な
    石臼による圧搾法、現在ほとんどの工場で行われている遠心分離法などがあり
    ます。石臼による圧搾は大変手間がかかるのと大量生産できないなどの理由か
    ら、ほとんど見られなくなってしまいましたが、オリーブ本来の旨味や香り、
    有効成分を熱でこわすことがありません。もちろん、
    エルオリーボの特選
    オリーブ生原油
    は、この昔ながらの手法を守り、オリーブを石臼ですりつぶ
    してペースト状にしたものをマットに乗せ、それを水圧ポンプで搾って生産
    しています。ローマ時代と違う点は動力がロバから水圧ポンプに変わったと
    ころだけ
    です。

     元々この石臼で圧搾したオイルは、生産農家が自己消費用として必要な分
    だけしか搾る事がないので、
    一般の市場に出回る事がありません石臼でひき
    終わったオリーブをどうするのかと聞けば、「残りかすは、イタリアの企業が
    大量生産用に持っていくんですよ。」という答えが返ってきました。その一度
    石臼で挽いたオリーブでさえ、イタリアなどの一般大手企業が加工し、厳しい
    基準にあった高級エクストラバージンオイルとして製品化され世界の市場に出
    回っている事を思えば、私どものオイルがいかに貴重であるかは想像に易いで
    しょう。ですから一番の問題はいかに数量を確保するかにあり、採取前に何度
    も訪れ
    特別に予約を取っておかないとまず日本に輸入するなどと言う事は不可
    能です。また、オリーブの生産シーズンになると、
    スペイン政府の品質管理官
    が国内の生産農家を検査して回りますが、毎年必ずこの村の組合で自分と家族
    用のオイルを買っていきます。

     山奥の小さな村ですが、今回村長さんが特別な取りはからいをして下さいま
    した。昔ながらの伝統的な方法を守りながら農家の方が丁寧に生産したものを
    手に入れる事が出来ました。本場スペインより、「本物」をお届けします。